今夜の作業用BGMはART-SCHOOLです。
聞き慣れて安心した音楽っていいです。
必要以上に耳に入ってこなくて、でも好きな部分は雰囲気として漂っていて。
頭が持って行かれすぎることもないし、手が止まることもない。
歌詞を頭で追いかけながらでもキーボードを打てる。
そういう曲とかバンドってそんなに多くないです。
多分聞いた回数がものをいうので。
私にとってARTはそういうバンドです。
誤解を恐れず言うなら、ART初期は、そういうバンドです。
そんなわけで過去記事を引っ越してきました。
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2013年7月19日の記事です。
ART-SCHOOLが好きです。
誤解を恐れず言うなら、初期が好きです。
結構いつ聞いても、しっくり来るのです。
木下さんはきっと、簡単な人ではなくて。
メンバーも何度も変わっていて、試行錯誤しながら、浮き沈みしながらも、きっとバンドじゃなきゃダメなんだろうなって思うような生き方をしているように、見えます。
一度でいいから、お話してみたい。
勝手に通ずるところがたくさんあって、きっと似てるんじゃないかなと、おこがましくも思っています。
繰り返しになりますが、私は初期が好きです。
音楽というやつは、本当にいい加減だと思っているのですが、そのいい加減具合は絵画と近いと思うのです。
それは、時に技術が不問になるからです。
厳密に言うと違うのかもしれないけれど、音楽も絵画も経験している私自身はそう思っています。
ざっくり言ってしまうと、下手なはずなのに、めちゃくちゃなはずなのに、そこに意味が成立してしまう。
荒削りであることが、美しい事とをすり替えられることがある。
精神論で全てを突破できる瞬間がある。
クソ適当なもんだなバンドって、って思うのです。
愛をこめて言いますが、バンドなんて本当にクソ適当だなーって。
だからこそ、オートチューンかなんかで整ってる木下さんの声なんて、聞く価値は個人的にはなくって、なんだったらボーカロイドでも入れといてくれよ、って思うのです。
そして、感覚値で言うなれば、そんな加工をする前の音のほうが、びっくりするくらい音的情報が詰まっていてリッチだと思うのです。
何よりピッチが甘くても、どんなによれてても、胸に迫る魅力があったと思うのです。
木下さんの歌は。
もう一つだけ、言わせてもらえるならば。
木下さんは、初期の方が、物語っていた。
いろんな言葉で、彼の物語を聞かせてくれた。
でもそれが、だんだん焦げ付いて固定化していったように、私は思っています。
それが、木下さんの中での成熟なのが、物語る物語がなくなってしまったからなのかは、私にはわかりません。
言ってしまえば、私は、初期ART-SCHOOLの物語が好きなだけなんです。
スナップのように切り取られた風景のランダムな重なりは、ひとつの物語を紡ぎだして、忘れられない、いつかの瞬間を再構成する。
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