『路上』―ジャック・ケルアック― を、読みました。 

実に一ヶ月以上読んでいたことになるのでしょうか……。

ジャック・ケルアックの『路上』をついに読了しました!今回読ませて頂いたのは、福田実さんの訳です。

 

今回えらく時間がかかってしまったのは、やっぱり翻訳本だからでしょうか……。

ちょっと前に読んだ『グレート・ギャッツビー』も読むのに苦戦したし、その昔『ロリータ』がどうにもこうにもきつくて途中放棄した思い出があります。

なんというか、翻訳という時点で、どうしても初めから日本語で書かれた文章とは違ってきます。

日本語ネイティブが日本語で伝えようとして書いたものと比べ、他の国の言葉で書かれ、単純な言葉の意味だけでなく、その言語だからこそ伝わるニュアンスやテイストまでもを、別の国である日本語で表現しようとしたものとでは、脳をダイレクトに刺激する速度が違う気がするのです。

転じて、翻訳家さんは本当に凄い!ということにもなるのですが……。

 

という読みづらさは正直あるながら、(読み味だけじゃなくて、単純に長かった!)なんとしても最後まで読みきりたかったので、頑張りました。

 

ジャック・ケルアックという人物を全く知らず、友達に進められるがままに購入したのですが、後になって調べると、非常に私の畑に関係が深い人でした!

彼が唱えた、「ビート・ジェネレーション」と呼ばれた者達は、カウンターカルチャーの担い手として、当時の若者達と、後世の人々に多大な影響を与えたのですが、その中心人物の一人、ウィリアム・バロウズといえば、私の大好きな「nirvana」のカート・コベインがリスペクトしていた人物だったりします。

 

そんなこんなで、読み始め、約一ヶ月かけて少しずつ読みました。

正直、どの文章が素晴らしいとか、あの表現がすごいという話は全然できません。

頭に入ってこない時が多々あり……。全体の雰囲気を感じたという感じの、読書でした。

 

とにかく、勢いがあった。

「気狂い」「気の狂ったような」という言葉が何度も登場しますが、本当にそのままで。

異常すぎるテンションで、主人公であるサル・パラダイスと、気狂いディーン・モリアーティはアメリカを横断しまくるのです。

路上でのヒッチハイク。道路さえ繋がっていればどこまででも行ける、地の果てまでだって行ける。

そんなふうに、ひたすら道路を進んでいき、飲み、騒ぎ、愛し合い、別れ、どろどろになったり、ぐちゃぐちゃになったりして、どこまでも進んでいくのです。

とにかくずっとお金がなくて、それでも彼らは歩みを止めません。

どんなにお金がなくても、飲むし騒ぐし、心の赴きを止めようとしないのです。

すごく簡単な言葉を使ってしまうなら『自由』なんです。

 

彼らが旅の中で求めたものや、味わった悲しみや孤独というものはもちろんあるんだと思います。

ただそれよりも、明日の不安や、どこへ行き着くのかという命題がぼんやりしている中で、とにかく突き進んでいく彼らの「衝動」だけが、ギラギラと輝いて私には届きました。

生命の活動と輝きのようなものを、殻も肉も剥いで、そのまま見ているような生々しい感覚。

 

自由ってなんだよ、って話になりますが。

それは決して気楽さなんかであるはずもなく、祝福された満たされたものでもなく、人間が作ってきた「人間として」みたいなカテゴリーへの挑戦なんだと思うのです。

「人間とは」みたいな枠からはみ出して、ハメ外せよ、開放しろよってことなんじゃないかな、と。

でもそれって、「人間らしい」人達からすれば、気狂いでしかないんだと思います。

 

最近、Twitterであるクラスタの人達にフォローされるのですが、それは多分、私が仕事を辞めてフリーになりたいと言っているからだと思います。

会社に縛られないとか、パソコン一台あればどこでも仕事できるとか、その先にあるかもしれない不労所得とか、豊富な時間とか海外脱出とか、「豊かさ」みたいなもの、とてもいいと思います。

でも絶対自由じゃない。

だって貨幣経済に縛られてるじゃん。インフラないと死んじゃうくせに。

 

私はけして、そういう人達に、この本を読んで路上に出てほしい、わけではありません。

私もインフラないとお仕事できないので。

 

「自由」になって魂を開放したい、とは思いません。出来ないんじゃないかなと思うから。

私がこの物質社会から逸脱できなくても、創作と物語は何かを超えるかもしれない。もしかしたら。と少しだけ信じています。

宗教じゃないけど、人間の中にはきっと、宇宙があるから。

 

8/30から、映画が公開されます。

 

オン・ザ・ロード

絶対、見に行こうと思います。

 

 

 

 


 

 


『路上』―ジャック・ケルアック― を、読みました。 」への2件のフィードバック

  1. ピンバック: 『XPLOSIVE SUITE』 を、読みました。その一。 | あおいはる。

  2. ピンバック: 『オン・ザ・ロード』 を、見ました。 | あおいはる。

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